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スペクトル分解 (関数解析学) : ミニ英和和英辞書
スペクトル分解 (関数解析学)[ぶんかい]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ぶん, ふん]
  1. (n,n-suf,pref) (1) part 2. segment 3. share 4. ration 5. (2) rate 6. (3) degree 7. one's lot 8. one's status 9. relation 10. duty 1 1. kind 12. lot 13. (4) in proportion to 14. just as much as 1
分解 : [ぶんかい]
  1. (n,vs) analysis 2. disassembly 
: [せき, ぜき]
 (suf) honorific added to names of makuuchi and juryo division sumo wrestlers
関数 : [かんすう]
 (n) function (e.g., math, programming, programing)
関数解析 : [かんすうかいせき]
 (n) functional analysis
: [すう, かず]
  1. (n,n-suf) number 2. figure 
解析 : [かいせき]
  1. (n,vs) (1) analysis 2. (2) parsing 
解析学 : [かいせきがく]
 (n) analysis
: [がく]
 【名詞】 1. learning 2. scholarship 3. erudition 4. knowledge 

スペクトル分解 (関数解析学) : ウィキペディア日本語版
スペクトル分解 (関数解析学)[ぶんかい]
数学関数解析学の分野において、あるバナッハ空間 X(関数解析学における基本概念の一つ)上の線型作用素 Tスペクトルは、作用素 T-\lambdaX 上に有界な逆作用素を持たないようなすべてのスカラー \lambda で構成される。そのようなスペクトルは、通常以下の三つの部分に分解(ぶんかい、)される:
* 点スペクトル(point spectrum):T固有値で構成される;
* 連続スペクトル(continuous spectrum):固有値ではないが、T-\lambda の値域を空間内の稠密真部分集合にするようなスカラーで構成される;
* 剰余スペクトル(residual spectrum):そのスペクトル内のその他すべてのスカラーで構成される。
この分解は微分方程式の研究において意義深いものであり、理学や工学の多分野に亘って応用されているものである。量子力学における有名な例では、励起状態にある水素原子によって放射される光のと連続帯の説明に、この概念が用いられる。
== 定義 ==

=== バナッハ空間上の有界作用素に対して ===

''X'' をバナッハ空間とし、''L''(''X'') を ''X'' 上の有界作用素の族とし、''T'' ∈ ''L''(''X'') とする。スペクトルの定義に従うと、ある複素数 ''λ'' が ''T'' のスペクトル ''σ''(''T'') に含まれるとは、''T'' − ''λ'' が ''L''(''X'') 内に逆作用素を持たないことを言う。
''T'' − ''λ'' が全単射であるなら、その逆作用素は有界である。この事実は、関数解析学の開写像定理より直接的に導かれる。したがって、''λ'' が ''T'' のスペクトルに含まれるための必要十分条件は、''T'' − ''λ'' が単射あるいは全射のいずれかでないこととなる。したがって次の三つのケースが考えられる:
# ''T'' − ''λ'' が全射でない場合。すなわち、''X'' 内の二つの異なる元 ''x''、''y'' で (''T'' − ''λ'')(''x'') = (''T'' − ''λ'')(''y'') を満たすようなものが存在する場合。このとき、''z'' = ''x'' − ''y'' は ''T''(''z'') = ''λz'' を満たす非ゼロのベクトルとなる。言い換えると、''λ'' は線型代数学の文脈における ''T'' の固有値となる。この場合、''λ'' は ''T'' の点スペクトルと呼ばれ、''σ''p(''T'') と表される。
# ''T'' − ''λ'' が全射で、その値域 '' R'' が ''X'' の稠密な部分集合であるが、''X'' 全体ではない場合。すなわち、''X'' 内のある元 ''x'' で、それに (''T'' − ''λ'')(''y'') を ''X'' 内の ''y'' を選ぶことでいくらでも近付けることが出来るが、一致させることは出来ない場合。この場合、''T'' − ''λ'' は下に有界でない(すなわち、お互い近くにあり過ぎる ''X'' の元を遠くに離す働きをする)ことが証明される。また同様に、稠密な部分集合 ''R'' 上で定義される線型逆作用素 (''T'' − ''λ'')−1 は有界作用素でなく、したがって ''X'' 全体に拡張することが出来ない。このとき、''λ'' は ''T'' の連続スペクトル ''σc''(''T'') に含まれると言われる。
# ''T'' − ''λ'' が全射であるが、稠密な値域を持たない場合。すなわち、''X'' 内のある元 ''x'' とその近傍 ''N'' で (''T'' − ''λ'')(''y'') が ''N'' に含まれないようなものが存在する場合。このとき、作用素 (''T'' − ''λ'') ''x'' → ''x'' は有界あるいは非有界であるが、どのような場合でも ''X'' 全体の上への有界線型写像への一意的な拡張は存在しない。この場合の ''λ'' は ''T'' の剰余スペクトル ''σr''(''T'') に含まれると言われる。
以上より、''σ''(''T'') は三つの集合の直和
:\sigma(T) = \sigma_p (T) \cup \sigma_c (T) \cup \sigma_r (T)
で与えられることが分かる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「スペクトル分解 (関数解析学)」の詳細全文を読む




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